無駄のない社会貢献のサイクル

2022.11.27

社会貢献や国際貢献と聞くと、大層な仰々しい印象を持つのは私だけでしょうか。どこか遠いところの話のようで噛み砕くとそういう気持ちを持っている人は多いのに、なかなかそこへ向けて何かをしていることって少ない気がします。特に日本だと。「良いことしましょうね」という善行の押し売りではなく、「知っているか知っていないかで大きな差が生まれますよね」ということをご紹介していきたいですね。


※画像:パン・アキモトネットショップ〈http://panakimoto.shop21.makeshop.jp/〉より

防災備蓄と社会貢献のミックス

「救缶鳥」って聞いたことありますか、またはご存知でしょうか。人間の声マネをする九官鳥と同じ音ではありますが、中身は違います。簡易的にご説明すると、非常食・備蓄品を備えること(防災のための備蓄)で、世界の飢餓救済の活動に参加できる(社会貢献)プロジェクトのことです。…すみません、これだけでは余計に混乱を招くでしょうか。要は自分たちを守る行動が困っている人をサポートする一助になるってことなのです。ここだけでも素晴らしいことですよね。世界的な貧富の問題、食料不足の問題、劣悪な環境下で暮らす世界の子どもたちの問題、メディアを通してニュースで観る“世界のどこかの問題”を目にされたこと、あると思います。多くの人が何かを感じていることだと思います。思いを行動に移している方々はとても素晴らしい! けれど、だからと言って何もしていないことが良くないとも一概には言えません。けれども、何かを思ったのなら、どうすればいいのかなと思ったのなら、このプロジェクトが役に立つかもしれません。

困っている人のもとに届く「物の有効活用」

株式会社パン・アキモト(栃木県那須塩原市)の「缶入りソフトパン」を購入することで救缶鳥プロジェクトに参加となります。「備蓄品として購入するだけでOKなの? 」という疑問にお答えします。救缶鳥プロジェクトで購入。備蓄いただいたパンの缶詰は、賞味期限前(37ヶ月の長期保管可能)に回収し、NGOなどを通じて義援物資として飢餓地域や被災地に送られるのです。義援先では食べ終わった「救缶鳥」の空缶は食器としても利用されています。このような防災備蓄と社会貢献がミックスした素晴らしいシステムが「救缶鳥プロジェクト」の特長です。「安定的に食料援助が行われるようになれば、世界の飢餓状況に変化を与えることができるかもしれない」という想いで株式会社パン・アキモトは活動されています。

世界には、知ってほしいことがある

ちなみに、知っていましたか?世界の穀物生産高は世界人口の2倍をまかなえる量であることを。知っていましたか?5歳未満の子どもが6秒に1人、飢えで命を失っていることを。知っていましたか?世界人口の6人に1人が飢えで苦しんでいることを。知っていましたか?世界人口の5人に1人は1日1ドル未満で暮らしていることを。救缶鳥プロジェクトは、世界で起こっている飢餓に対する学びの一環としても機能しています。

1995年の阪神淡路大震災をきっかけにパン・アキモトが開発した安心安全なおいしい防災備蓄パン。もともとは、被災地にパンを届けたい想いからはじまったそうです。しかし、日持ちしない食品がゆえに一部の人にしか行き届かなかった…そこから試行錯誤を重ねた保存できるパン。おいしさと安全性と保存性を維持するために無酸素状態をつくることに成功して、アキモトのパンの缶詰=防災備蓄パンが誕生しています。ここでまた問題が「とは言え、賞味期限は訪れてしまう…食べるためにつくったものを捨てて無駄にしてしまうのはな…」という想いがあったようです。想いはシンプルですが、その行動が素晴らしいんです。「食べ物である以上、人に食べてもらうことを全うさせる」と決意し、賞味期限がまだ少し残っているうちに回収し、それを必要としているところへ送る…それが救缶鳥プロジェクトにつながっています。

被災地や義援先だけではなく宇宙にも旅立ったパン

「NASAも認めた安心品質」と謳われる救缶鳥プロジェクトの缶入りソフトパンは、2009年のスペースシャトル・ディスカバリーにて宇宙飛行士・若田光一さんと共に宇宙へ旅立っています。被災地を救い、世界の飢餓地域でも役立ち、宇宙にまで旅立ったパンが日本にはあるのです。社会をより良くする取り組みを評価する第5回環境省主催「グッドライフアワード」にて2017年度環境大臣賞・最優秀賞の受賞もしています。ひとつの社会貢献のカタチとして、国内で14万個以上、海外で21万個以上の実績を残しています。法人・個人でも購入することができます。世界各地へ送られるための数量が決まっているようなので(15缶)、「そこまでの数は…」という方は共同購入されるのも手です。親族やご近所での購入を検討されてみてはいかがでしょうか。

【流れ】
個人・ご家庭・学校・施設・企業・自治体などが有事や災害に備えて備蓄する

回収時期の賞味期限2〜3ヶ月前に案内(継続するか否か)が届く

救缶鳥プロジェクトを継続する場合
購入から2年半後に回収(再購入をする場合に限り:回収の料金は一切かからない)

世界の飢餓や災害で苦しむ人々を救う食料として現地に届けられます
(回収された救缶鳥はNGOなどに送られ、コンテナで輸送されます)

救缶鳥プロジェクトを継続しない場合
ご自身や所属するコミュニティにおいて有事や災害対策用に備蓄または消費してください。


※画像:環境省グッドライフアワード〈https://www.env.go.jp/policy/kihon_keikaku/goodlifeaward/index.html〉より