ゴミ出し難民問題を考える

2023.03.14

「ゴミ出し難民」とは身体能力の低下や病気等によって、ゴミを出すのが困難な人のこと。日本は高齢化が進むなか、自分でゴミを分別したり、収集場まで運んだりすることができなくなった高齢者が増えており、ゴミ出し難民問題が深刻化しています。今回はゴミ出し難民になってしまう理由やこれからの課題、必要な支援について考えてみたいと思います。

ゴミ出し難民になる理由

ゴミ出し難民になる理由は大きく2つあると言われています。まず1つは障害や体力の低下等によって収集場までゴミを運べなくなるケース。もう1つは認知症になり、ゴミの分別方法や収集日がわからなくなるケース。いずれもゴミ出しをしてくれる同居人がいれば、ゴミ出し難民になることはありませんが、夫婦ともに高齢の場合や一人暮らしの場合はそうはいきません。また、若くても事故や病気によって、ゴミ出しができなくなる可能性は十分にあり得るでしょう。

自治体によるゴミ出し支援

日本政府は自治体に対して、高齢者のゴミ出し支援を行うよう呼び掛けており、自治体によっては個別訪問などの支援が行われています。

例1(神奈川県横浜市のゴミ出し支援)

身体や精神に障害のある方や65歳以上の方を対象に戸別収集を実施。玄関先にゴミが出ていない時は、インターホン等で声を掛け安否確認も行っています。

例2(福岡県大木町のゴミ出し支援)

ゴミ出し支援事業をシルバー人材センターに委託。シルバー人材センターで働く高齢者がゴミ出しができない世帯を訪問して、ゴミを収集する支援サービスを行っています。

他にも、ゴミ出し支援を行っている自治体はたくさんありますが、予算や人員が不足しておりそこまで手が回らないなど、地域や自治体によってかなり格差があるようです。

ゴミ収集の民間サービスも増えている

最近は民間のゴミ収集サービスも増えており、株式会社アンコム(愛知県安城市)も決まった曜日に玄関前までゴミを回収しに行く『マイ捨てーション』というサービスを新たにスタートするそうです。これからゴミ出し支援を行う自治体はさらに増えていくと思いますが、このような民間サービスも上手く活用しながら、ゴミ出し難民問題を解決していければ良いですね。