愛知県・南知多町で循環農法を営んでいる『とりのさと農園』はご存知でしょうか。平飼い養鶏と無農薬栽培を営む有機農家なため、平飼い卵と無農薬の野菜セットが特徴で、〈http://torinosato.net/〉のサイトで通販を受け付けています。何もないところから栄養満点の作物をつくるまで自分たちで開墾した農園主の想いにも感銘を受けます。
脱サラして一からつくり上げた農園
約40年前に初代農園主である橋本昌康さんは名古屋でサラリーマンをしながら公害問題で苦しむ方々の支援をされていました。その一環で無農薬のミカンを自社に積み、名古屋近郊のお宅へ訪問販売なども行ったそうです。そんな活動のなかで“食の汚染”に危機感を持っていたり、関心を寄せる方々と交流を持つように。そのなかで橋本さんは奥さんとも出会います。同じ想いの方々と共に過ごすことで、「生活を便利にするために汚した空気や水は私たちの口に戻ってくる」「食の安全について、もっと真剣に取り組まなければいけないのではないか」と考えるように。お子さんの誕生と共に1981年に愛知県南知多町内海に移住し、就農をスタートさせました。
“自分たちでやってみる”という行動力
最初は夫婦と小さなお子さんではじめたとりのさと農園。奥さんが以前、養鶏業界誌の記者をしていた経験があり養鶏業界の現状と安心安全な養鶏のあり方に関心を持っていた二人。しかし、二人とも農業経験はほとんど無く、農具もままならないよう状態で内海の山奥にある荒れ地を自分たちの手で開墾し、鶏舎と作業小屋を独学で建てて、平飼い養鶏をスタート。「子どもに地に足のついた生き方を見せたい」という想いも自分たちでやり切る行動を後押ししたことでしょう。鶏舎を建てる際も廃材を活用したり、解体現場へ赴いたりと自分たちが動くことで想いを実現してきたところがリスペクトできます。
自然の恵みをいただく
とりのさと農園の作物は無農薬と循環農法によってできたものです。循環農法とは、
鶏に毎日無農薬の野草や野菜くずを与え、天然ビタミンで元気に育ちます。その糞は畑の肥料に。
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糞は薬の影響を受けていないから安心で自然分解でサラサラ。また、鶏糞を畑に使い切れるだけの羽数しか鶏を飼いません。
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鶏糞をすべて使い、年間100品目もの野菜と果物を無農薬・無化学肥料でつくっています。
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そして、できた作物をまた鶏たちに与える…というサイクルを形成しています。
「食が汚染されれば、人が汚染され、それが社会そのものの歪みになる」という考えや想いのもと人間らしい生活、自然の有り難みを感じる暮らしを実践されています。体に良いものを食べ、心にも良い生活をする…このような活動をされているとりのさと農園を知ると、昔ながらの人間らしい生活が心身に良い効果をもたらしていると感じています。