冬のあったかアイテムの代表と言える「使い捨てカイロ」。使用済みのそれはどうしていますか? やはりそのまま廃棄してしまいますよね? どうやらその行為、かなりもったいないみたいです。使い捨てカイロには、それはそれは素敵な活用法があるのだとか! その秘密に迫りたいと思います。
使い捨てカイロは、使った後もお役立ち!?
使い捨てカイロの主原料は何かご存知でしょうか? 多くは鉄粉のようで、当然ながら使用後は廃棄されていました。しかし、研究の結果、鉄粉に特殊な加工を施すことでヘドロを分解したり、農薬などで汚れた水をキレイにしたりすることが可能に! そんな素敵な研究を行ったのは、東京海洋大学の佐々木剛教授。理屈を要約して説明すると、鉄イオン溶出体の粉と炭の粉を固形状にし、水に入れておくと二価鉄イオンという鉄イオンが発生します。この二価鉄イオンの働きで、ヘドロを分解したり、悪臭を除去したり、光合成が活性化されたり、赤潮の発生を防ぐことができるということのようです。また、土の中でも効果があり、土の中の微生物を活性化させたり、作物の収穫量を増加させたり、土壌の酸化防止も可能になります。すごいぞ、使い捨てカイロ!
全国から集まる使用済み使い捨てカイロ
使い捨てカイロのリサイクル(主に土地改良剤へ)を行っている、一般社団法人ゴーグリーンジャパン〈 https://go-green-japan.jp/ 〉には、年間で70~80万t、多い時は最高で1日2tの使い捨てカイロが送られてくるそうです。カイロの中に入っている鉄粉に特殊な加工をすることでつくられたGo Green Cube。この物質のおかげでさまざまな効果が得られるのです。実際に「大阪の墓山古墳では半年で水質汚染の原因となるアオコやヘドロが大幅に減少したというデータも出ています」という結果も。その他、大阪・峯ケ塚古墳や長野県・松本城の外堀でも撒かれていて、堆積物が大幅に減少し、水質が改善されているのだとか。さらに土壌改良剤としても作物の根張りがよくなったり、花の付きが多くなったりなど、多くの実績を得ているGo Green Cube。本当に“地球をキレイにする”いや、している使用済みカイロ。
使い捨てカイロのさまざまな再利用法
使用後の使い捨てカイロは、実は消臭剤や除湿剤、ガーデニングの肥料として再利用できるため、知っている人はすでに実践されていると思います。消臭効果のある活性炭が使われているため、ブーツや靴、冷蔵庫に使い終わったカイロを入れることで活性炭がニオイの成分を吸収して消臭。また、原材料の鉄粉や活性炭、バーミキュライトには湿気を吸収する働きがあるため同時に除湿剤としても活躍してくれます。簡単にご家庭で実践できるのでお試しください。もちろん、今回ご紹介した「ゴーグリーンジャパン」へ協力するのも大歓迎だそうです。回収ボックスが近隣にない場合は、同社の物流センターへ使用済みのカイロを送ることも可能です。カイロの種類や大きさは関係なく、使用期限が切れたものも受け付ているそうなので、サイトを覗いてみてください!
一般社団法人ゴーグリーンジャパン
https://go-green-japan.jp/