前回も取り上げた食品ロス問題、世の中にはさまざまな取り組みをしている企業・団体・店舗が存在しているので、その中には興味深いものやユニークなものまで幅広く、知りたくなる欲が高まりましたので、さらに深堀ってみたいと思い、第2弾をこちらでご紹介していきます。
飽食が招いた危機感の無さに気づきたい
毎日のように世界のあらゆるところで発生している食品廃棄、もったいないのもございますが、このまま発展を続けると、地球温暖化や飢餓などにもつながっていく問題。また、SDGsでは、目標2として「飢餓をゼロに」や目標12として「つくる責任つかう責任」のように世界中で解決に向けて取り組まれている問題でもあります。確かに、いきなり世界規模と言われると自分とは無関係や縁遠い印象を持ってしまいがちですが、「自分がやらなくてもどこかがやればOK」という問題でもありません。一人ひとりが必要以上に食材を買ってしまったり、使い切れないものは捨てていたり…そうではなく、無駄なく食べきりことを意識するだけ効果があります。まずは些細でも一歩ずつ、身近なことから始めていきましょう。
各企業が試行錯誤している解決策の模索
例えば、大手コンビニチェーンのローソンの取り組みのひとつは、冷凍おにぎり。コンビニで販売されているおにぎりの賞味期限は大概2日程度のようですが、冷凍おにぎりの場合は120日まで延びるため、廃棄される可能性は減ると考えられています。さらにそれだけではなく、物流問題もここに絡んでいるのがこの話のポイントなのです。従来、ローソンでは約7割の店舗で弁当やおにぎりなどのチルド・常温商品を1日3回配送していたようですが、この取り組み以降、順次1日2回に減少。賞味期限の長い冷凍おにぎりのおかげで配送が少なく済むと目論んでいるようです。工夫や角度を変えた取り組みのおかげで大きな問題の解決の糸口になるかもしれません。消費者のニーズを叶えるために行ってきた努力を変えるのも企業としては苦しいところかと思いますが、別の問題解決にもつながるのであれば、素晴らしいことですよね。
フードドライブは聞いたこと、ありませんか?
フードドライブ=「家庭で余っている食品を持ち寄り、福祉施設や子ども食堂、生活困窮者支援団体などに寄付する活動」のことを指します。その活動を大手コンビニチェーンのファミリーマートが取り組んでいます。実際に店舗へ伺った際に目にした方もいらっしゃることでしょう。家庭の未開封食品が寄付できる「ファミマフードドライブ」。この取り組みは2021年4月に一部店舗で始まり、2023年8月には47都道府県に拡大、2025年3月31日時点での実施店舗数は4,459店舗となっています。受付可能な食品の条件は「賞味期限が2ヶ月以上」、「常温保存が可能で未開封」であること。ちなみに生鮮食品やアルコール類は対象外のようです。これだけ身近な存在となったコンビニで気軽に食品ロスを減らせるのは、うってつけの場所と言えます。お買い物ついでに、家庭の不要な食品を“循環”させるのもいかがでしょうか?