世界各国のゴミ問題解決には日本の技術力が役立っている

2025.04.18

発展途上国において、先進国の技術や資金援助が欠かせないのは広く知れ渡っていますが、ゴミ問題やゴミ事情にも日本が深く関わっているのはご存知でしょうか。
さまざまなメディアで伝えられているのでご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、今回はそんななかでひとつ、日本企業の技術力を紹介したいと思います。

日本企業の技術力を発展途上国へ輸出

コーポレートサイトに「微生物はうそをつかない」のコピーを掲載している共和化工株式会社。こちらは、1959年に高濃度の水処理事業者として誕生した企業で、2002年に水処理後に排出される汚泥や生ごみ等のバイオマスを肥料化する環境リサイクル事業もスタートさせています。そんな技術力を海外でどのように活用させているのか。
それはフィリピンのバナナの残渣(ざんさ)や生ゴミを堆肥化させるというもの。要は、生ゴミをそのままにするのではなく肥料に変えてしまえ、ということです。
言うは易く行うは難しとはまさにこのこと。これまでに培ってきた経験や技術力なくして事の実現には至りません。生ゴミ=有機性廃棄物を堆肥化する共和化工株式会社の技術力は、いまのフィリピンを救うものなのです。

バナナの前にいちごも救っていた微生物のチカラ

日本一の生産量を誇る栃木県においても栽培が盛んな益子町にあるいちご農園にも共和化工株式会社は深く関わっています。
ここのいちごの美味しさの秘密は生ゴミにあり。そう聞くと魅力的には感じないかも知れませんが、有機肥料と言葉を変えれば美味しそうに感じてしまうのが不思議です。農園のある益子町では、町ぐるみで生ゴミの堆肥化を進めているようで生ゴミを週2回分別回収しており、町民の半数が協力しているようです。通常の生ゴミを想像してもらうとわかる通り、臭いがしますよね。
けれども、共和化工株式会社によれば、それも解消可能。一体どのように臭いをなくし、堆肥化していちごを美味しくするのか。それは微生物によるもので、多く含む土を生ゴミの上にかけていき、堆肥化させる手法。

「微生物はうそをつかない」を地でいく技術力

前段のつづきですが、生ゴミと微生物を含んだ土をしっかりと混ぜ合わせ、数日間放置。そうすると、湯気が立ち込めるそうです。
その理由は、生ゴミに含まれていた水分。生ゴミはその80%が水分と言われており、微生物が高温発酵することによって湯気となっているということです。高温で活発になった微生物が有機物を分解しているという図式なのです。これまでは焼却処分しか道のなかった生ゴミがひと月半ほどでサラサラの堆肥となります。共和化工株式会社にとっては「ゴミは宝」と言えますね。

フィリピンではゴミの焼却処分が禁止されているため、埋め立てを推進しているのですが、そこがうまくいっていません。そのため、フィリピンと共和化工株式会社はお互いに求め合うように合致していると言えます。生ゴミが堆肥になることで埋め立て地・ゴミ問題が解消に進み、さらには堆肥化でさまざまな農園が助かる、日本側の企業も潤う
確かな技術力と経験は海を越えて必要とされているのです。