リサイクルされた家電はどうなるの?
家電リサイクル法によってリサイクルすることが義務付けられている廃家電。でも、収集された家電製品がどのようにリサイクルされているかわかりませんよね。今回は家電製品がどこでどのように処理され、どうやってリサイクルされていくのか、その流れを追ってみました。
廃家電を資源に変える家電リサイクルプラント
家電量販店などで引き取られた家電製品は指定引取場所に集められ、その後全国各地にある家電リサイクルプラントに運び込まれます。家電リサイクルプラントは家電メーカーなどから委託を受け、廃家電をリサイクル資源へと生まれ変わらせるための施設です。家電製品にはさまざまな素材やパーツが使われており、リサイクルするためには分解して素材を分別する必要があります。また、冷蔵庫などにはフロンガスといった有害物質も使われているため、一般的な資源ごみのように簡単に処理することができません。そのため、家電製品は廃家電のリサイクルを専門に行う家電リサイクルプラントで処理されています。
家電リサイクルプラントでの処理方法
家電リサイクルプラントに運び込まれた家電製品はまず手作業で解体され、カバー、パネル、基盤、モーターなど部品の取り外しが行われます。そして残った部分は大きな機械で粉々に破砕し、鉄・銅・アルミ・プラスチックなど、素材別に分別します。エアコンや冷蔵庫に使用されているフロンガスも外部に漏らさないよう家電リサイクルプラントで回収されます。
分別された金属の行方は?
鉄・銅・アルミなど、種類ごとに分別して集められた金属は精錬所へ運ばれます。金属は溶融したり、精錬工程に戻したりすることで再生できるため、粉々になった金属を溶かし不純物を取り除いたうえで新しい製品へと生まれ変わっていきます。
分別されたプラスチックの行方は?
プラスチックは不純物が入ると著しく品質が低下するため、十分に洗浄して不純物を取り除きます。さらに新品の素材と同等の品質になるよう組成を調整し、新しいプラスチック製品の材料として再生されます。なお、一般的にプラスチックのリサイクルはサーマルリサイクル(焼却して出た熱をエネルギーとして回収)として処理したり、使い捨て製品の原料として再利用したりすることが多いなか、家電のプラスチックリサイクルは家電としての再商品化に取り組んでいます。多くの家電メーカーは廃家電から回収したプラスチック素材を新しい製品の材料として使用しています。