もったいないをなくすフードバンク
昨今話題となっている食品ロスの問題を解消するプロジェクトであるフードバンク。まだまだ安全に食べられる食品であるのに包装の破損や過剰在庫、印字ミスなどの理由で、流通に出すことができない食品を企業などから寄贈していただき、必要としている施設・団体・困窮世帯に無償で提供する活動のこと。なんでも捨てすぎなのでは? という疑問からゴミ・廃棄・収集を専門としているアンコムでも関心を持つべきテーマ・活動だと考えています。
いただきますを聞けなかった食品たち
食品ロスと同じように「飽食」というワードも聞いたことがあるかもしれません。まだまだ食べられる食品を捨ててしまうのはもったいない…言ってしまえば、「いただきます」を聞く前に捨てられてしまう食品というわけです。一般社団法人全国フードバンク推進協議会によると、日本では年間約1,927万トンの食品廃棄物が排出されているそうです。食品関連事業者からは約357万トン、一般家庭からは289万トン、合計すると年間約646万トンの食べ物が廃棄されています。世界全体の食料援助量(2014年320万トン)の約2倍の量…もったいない。
もったいないを、ありがとうへ
あるデータによれば、7人に1人の子どもが親の収入が少ないことが理由で、あって当たり前のものが貰えなかったり、経験する機会を奪われているそうです(出典:平成28年度「国民生活基礎調査」厚生労働省)。こういった貧困問題は、教育機会の損失など子どもの将来へ大きく影響を与えます。当然、身体的成長を支える食事の面でも十分とは言えない状態の子どもも少なくありません。そんななか、地域住民や行政との連携を通して子どもの成長の支援を行っているのが、全国のフードバンクです。貧困で十分な食事を摂取できていない貧困世帯の子どもへの食料支援を続けているのです。
身近にも存在しているフードバンクの輪
フードバンクは、食品企業の製造工程で発生する規格外品などを引き取って福祉施設などへ無料で提供することの総称です。その他、フードドライブというものもあり、家庭で余っている食べ物を学校や職場などに持ち寄り、まとめて地域の福祉団体や施設、フードバンクなどに寄付する活動のことを指します。さらに、フードパントリーは、企業や農家、一般家庭から寄付される食料を取りまとめ、無料で配布するための地域拠点・配布活動のこと。さらに、子ども食堂と呼ばれるものも注目を集めています。地域の子ども達や保護者などを対象に食事を提供するコミュニティのことです。子どもが一人でも行ける無料または低額の食堂で、地域食堂やみんな食堂とも呼ばれています。
あるものを有効活用したり、ある人にとっては不要でもある人には必要であるからその人へ届くように…そんな活動を行っているフードバンク。興味のある方は「フードバンク」で検索してみてください。