あしたにじ.comの記事にはいくつかのシリーズものを掲載しています。「糞シリーズ」や「日本古来のエコシリーズ」など。今回新しく公開するのは、「食の発見シリーズ」です。ふと考えたことはありませんか、「これ、最初に食べたのはどんな人? 」という一見すると美味そうではない代物。そんなものを取り上げて背景や経緯、変遷を辿ってみようと思います。
熊本・天草地域で愛されるふたつの食材に迫る
今回は郷土料理やローカルフードについてピックアップします。皆さんも局地的に愛されているローカルフードのこと、聞いたり目にしたり、なんなら自分たちも別の地域の方には驚かれる食べ物を普通に食べていたりしませんか? 天草地域では、ヒトデを食べる文化があるようなのです。食用として主に扱われるのは マヒトデ(別称 ゴホンガゼと呼ばれる種類)のようで、足の裏側にある卵巣部分が、食用のポイントとなっています。主に春~初夏、例えば4月~5月に産卵期をむかえ、卵巣部分が充実する時期が食用シーズン。また、ヒトデの種類によっては毒を持つものもあるため、食用とされる種を確実に扱っていることが重要です。天草の中でも特定の地域・時期にだけ食されるかなり限定的な珍味とされています。
どうやって食べる? ヒトデを!
調理法は至ってシンプル。塩を少し入れたお湯で茹でるだけ、と言われています。下処理やアク抜きは不要なのは嬉しいところですね。ただし、ヒトデにはサポニンという物質が含まれており、生で食べると渋みで口が痺れることがあるため、必ず加熱が必要です。卵巣の部分はウニやカニ味噌のような風味、磯の香りもあるとされ、少し苦みが残ることもある点は好みが分かれるようです。 毎年必ず採れるわけではないとも言われ、最近は採れにくくなったという報告もあり、非常に希少な食材とされています。天草にはヒトデが食べられるお店もいくつかあるようです。現地のお寿司屋さんや地場の磯料理屋などで堪能できるようなので、気になる方は足を運んでみてはいかがでしょうか?
もうひとつは芋茎(ずいき)と呼ばれる食べ物。
芋茎(ずいき)とは、主に 里芋・あるいはハスイモ の葉柄(ようへい)=葉の付け根~茎のような部分を指します。部分的な名称であるにもかかわらず、熊本県では「くまもとふるさと伝統野菜」にも選定されており、伝統的な野菜として認められています。収穫・出荷の旬は 7~11月、特に8~9月が味が良いと言われています。茎や葉柄を使うため、普通の「芋(根っこ)」とは違う部位を食材にしており、シャキシャキとした食感や軽い食感・淡い風味が特徴です。熊本県内の伝統野菜として広く扱われており、は保存食として干して「いもがら」にすることも古くから行われているようです。歯ごたえが良く、シャキシャキとした食感に加え、香り・甘みもあり、えぐみが少ないとされています。