前回もお伝えした世界のゴミシリーズ・「フィリピン」 の後編をお届けします。
まだまだフィリピンのゴミ事情を語り尽くすには足りませんでしたので、前後編に分けていきます。日本には日本の、フィリピンにはフィリピンの事情がありつつも、共通するところもあるゴミ問題。他者から学び、取り入れられるものは取り入れ、活かしていきたいものですね。やはり、ここでも大切なことは、「知る」こと。
置くだけ置いていくから、ゴミの山となる
前回の記事のメインは、スモーキーマウンテンについて(スモーキーマウンテンとは、フィリピン・マニラ市北方に“かつて”存在した巨大なゴミ山とその周辺のスラム街のこと)。言うなれば、ゴミ山。
特別有名なだけで、フィリピンには他にもゴミ山が無数にあります。その数、なんと約1,000か所! ちなみにゴミ処理場またはゴミ山のことをダンプサイト(Dump site)と呼ぶそうです。
これらにも種類があり、環境問題を考えずに無差別に投棄されているオープンダンプサイト(露天投棄)、開発が進められている環境配慮型の処理場のサニタリーランドフィル(衛生埋立)のふたつに分けられますが、さらにオープンダンプサイトが閉鎖されていく中で苦肉の策として設けられた“ゴミの中継所”と呼ばれるものもあります。
何もしていないわけではない、フィリピン政府
「生態学的固形廃棄物管理法」の施行により、オープンダンプサイトは順次閉鎖され、環境に配慮した処理場に改良されていき、衛生埋立処理場は240か所(全ゴミ処理場の約25%・2021年1月時点)まで増えてきています。スモーキーマウンテンなどこれまでにゴミ山が閉鎖されたことは幾度もありましたが、閉鎖の理由は子どもたちのケガ防止などの安全面への配慮。しかし、近年のオープンダンプサイトの閉鎖は環境配慮によるものですので、ひと味違います。政府の本気度、改善への意識の高さが伺い知れます。とは言え、開発途上国であるフィリピンでは、貧困や食糧問題の解決に多額の予算が割かれるため、環境問題にまで手が回っていないのは事実。
各国のゴミ問題、どうすれば良くなっていくのか?
根本でもあり、本質でもあり、当たり前のことかもしれませんが、「意識の徹底」が何よりも大切だと言われています。フィリピンを例に挙げれば、国民の意識改革。環境問題への国民の関心は低く、環境の保全を訴えるのは、異臭を放つゴミ山周辺の住民だけ(実害を被っているから)と言えます。どこから意識改革を行なっていくのか。まずは、何よりも分別です。可燃・有害・有機物の分別の徹底。実はフィリピンでも中間層以上が暮らす住宅地ではゴミの分別が徹底されているそうです。しかし、ゴミ箱もないようなスラム街では、分別は当然行われていません。意識が変わるだけでゴミ問題は徐々に改善されていくと考えられますが、それだけではなくゴミ焼却施設やリサイクルセンターの建設が必要不可欠です。この面は、日本などの先進国による資金援助やサポートが必要となっています。