「あれ? このまま捨ててOK? 」リチウムイオン電池の捨て方

2025.01.31

ゴミとして処分する際に捨て方や分別を迷うことってありますよね。その中のひとつがリチウムイオン電池ではないでしょうか。身の回りの電化製品に多く使用されており、処分の際に誤った方法で廃棄されることが多い品目です。誤った廃棄方法などによって火災が多発するといった危険性が問題視されているため、リチウムイオン電池の仕組みや発火の原因、正しい廃棄方法を紹介していきます。

知っておきたい、リチウムイオン電池のこと

スマホやタブレット、EVなど、身の回りの多くの製品に使用されているリチウムイオン電池(=リチウムイオン電池とは、リチウム化合物を使用した二次電池)。特徴としては、小型化で軽量化しやすく、大容量の電力を備えられるため、二次電池の主流は鉛蓄電池からリチウムイオン電池となっています。1990年代初めに登場して以来、発展をし続け、現在の電池市場を席巻しています。エネルギー効率が良いリチウムイオン電池ですが、エネルギー密度が高いほど安全性へのリスクが高まる傾向にあります。市販の製品を適切に使用するだけでは全く問題はありませんが、強い衝撃を与えた場合などは、発火の原因となってしまいます。不適切な廃棄方法によって引き起こされてしまう事故もいくつか起こっているので、注意は必要です!

〈注意〉リチウムイオン電池を捨てる場合

なぜ、リチウムイオン電池の廃棄には注意が必要なのか? それは、リチウムイオン電池に使われる電解液が引火性のある有機溶媒のためです。この有機溶媒は、衝撃や損傷によって電極物質同士が触れ合うと化学反応を起こして熱が発生し、電解液に引火することで発火する危険があります。廃棄の際に発火が発生するケースが散見されています。ゴミの分別を怠り、リチウムイオン電池を含む製品を誤ったルールによって廃棄した場合、ゴミ収集車やゴミ処理施設で発火や爆発が起こる事故が多発しています。その事故原因の多くが「不燃ごみ」として混入していたことによるもの。どこで引火するのか? それは不燃ゴミの処理方法が要因となっています。一般的に不燃ゴミは処分場のスペース確保のため、細かく砕いてから処理することが多いため、そこにリチウムイオン電池が混ざっていると発火などにつながる…という流れのようです。

特に気を付けたい製品はコレ!

いきなり結論から申し上げると、発火原因の製品として多いのが「モバイルバッテリー」。次いで「加熱式たばこ」「コードレス掃除機」が多くなっています。リチウムイオン電池は、資源有効利用促進法に基づきリサイクルが推奨されています。自治体では処分できないため、家電量販店やホームセンターなどの回収ボックスに入れるか、購入した店舗に連絡して処分・廃棄をしましょう。安全に捨てるためにはどうすれば良いか? まずは絶縁することが大切です。出力端子が露出していると発火する恐れがあるため、絶縁テープで処理することをおすすめします。次に勝手に解体しないこと。解体された電池は回収できないことがほとんどです。最後は梱包。テープなどで固定してから廃棄しましょう。

※注意※
一般ゴミやプラスチックゴミと一緒に捨ててしまうと、ゴミ収集車や処理施設で電池が発火し、火災などの事故につながる恐れがあります。