おしえて、たにじろう先生! 〜仏壇の捨て方〜

2025.10.24

「おしえて、たにじろう先生! 」シリーズの第4弾。このシリーズは、ゴミの捨て方や処理の仕方、ゴミに関する疑問に答えていきます。当然、住んでいるエリアや行政によってゴミの捨て方や処理の仕方は異なるので、あくまでも目安として捉えてください。今回は、仏壇の捨て方。

仏壇ってどうやって捨てていますか?

この令和の時代、仏壇のあるご自宅は減っているんでしょうか。実家に帰ると手を合わせる、祖父母の家で先祖を祀ることしてきた私たち日本人。現在、ご自宅に仏壇のある方、不要になるタイミングでどのように処分したら良いか、ご存知でしょうか。頻繁に買い替えるものではありませんし、急に不要になることもないですよね。計画的に、どのようにしていくかを考えることがあると思います。ゴミ処理業者からの話を聞くと、問い合わせを受けるケースも度々あるようです。そのため、捨て方のレクチャーとして今回は仏壇の捨て方を紹介していきます。

一般的な処分パターンを紹介していきますので、必ずしもそのようにしなければならない訳ではありません。ケース・バイ・ケースもあると思いますので、詳しくは個別に関係各所へお問い合わせください。

仏壇の捨て方とは

大きく分けると5つに分けられるようです。・菩提寺に依頼 ・仏壇店に依頼 ・粗大ゴミに出す ・専門業者に依頼 ・売却 どの方法を選ぶにしても、事前に閉眼供養(魂抜き・性根抜き)を行い、親族や菩提寺に相談することが重要です。

〈菩提寺に依頼する〉

菩提寺=先祖を供養しているお寺に相談し、閉眼供養と引き取りを依頼します。最後の供養と処分までまとめて任せられるため、最も安心できる方法かもしれません。お布施(供養料)が必要で、金額は1~5万円が相場となっています。

〈仏壇店・専門業者に依頼する〉

仏壇店や不用品回収業者に引き取りを依頼します。この方法のメリットは、運搬なども含めてスムーズに手続きが進む点にあります。処分費用は仏壇の大きさなどによって異なり、2~10万円程度が目安と言われています。

〈自治体に粗大ゴミとして処分する〉

閉眼供養(魂抜き・性根抜き)を済ませた後、お住まいの自治体のルールに則して粗大ゴミとして処分します。費用を抑えられる可能性がありますが、事前に閉眼供養を行う必要があるのは注意点です。

〈買取業者に売却する〉

仏壇買取業者に査定を依頼し、買い取ってもらう方法もあります。費用がかからない、またはプラスになる場合があります。ただ、買取対象となる業者は限られます。

〈買取サービスやネットオークションで売却〉

比較的状態の良い仏壇や骨董的価値のある仏壇は、買取業者やオークションで売却できる可能性があります。処分費用を抑えられるケースもあり、処分費用がかからない可能性もあります。買い取ってもらう場合も、閉眼供養は必要。また、すべての仏壇が買い取られるわけではありません。

処分前の確認事項と注意点

閉眼供養(魂抜き・性根抜き)=仏壇の魂を抜く儀式で、供養後に処分が必要です。ここが他の粗大ゴミなどと異なる点と言えるでしょう。また、親族への相談や家族の理解を得て、無用なトラブルを防ぐことも大切です。加えて、通帳や印鑑、写真など、誤って仏壇と一緒に処分しないように引き出しなどを必ず確認しましょう。もう一点、確認が必要なところで言えば、宗教や宗派によってさまざまであること。そのあたりのことは買取業者や自治体では判断できないケースもあるので、処分方法に迷ったときは菩提寺に相談してみましょう。さらに、仏壇や仏具、お墓などは祭祀財産に含まれるため、相続に関わるものです。そのあたりの確認も怠ることなく進めていきたいはず。大切な方の大切なこと、ないがしろにせず、専門家へ尋ねることで判断材料を増やしていきましょう。

相続に関する問題も関係してきます

通常の遺産のように相続人へ分配されるものではなく、「慣習に従って祖先の祭祀を主催する一人」に相続されるものとなるようです。祭祀財産の相続には基本的に相続税は課せられませんが、拒否することはできません。祭祀財産を相続した人は「祭祀承継者」となり、法事やお盆、お彼岸の行事を取り仕切る義務のほか、墓地や仏壇を処分する権利も持つ形になります。つまり、祭祀継承者でない場合は個人の判断での処分は不可となり、必ず祭祀継承者の承諾が必要になってきます。また、骨董品として価値のある仏壇仏具や金の仏像などは、祭祀財産として認められない場合があるようです。これらが財産として判断されると、相続税が課されることに! これまで仏壇の捨て方を紹介してきましたが、やはり仏壇は容易に処分できるものではありませんね。しっかりと相応の対応をとり、適切な捨て方をすることで供養にもつながってくると思います。


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