「おしえて、たにじろう先生! 」シリーズの第5弾。このシリーズは、ゴミの捨て方や処理の仕方、ゴミに関する疑問に答えていきます。当然、住んでいるエリアや行政によってゴミの捨て方や処理の仕方は異なるので、あくまでも目安として捉えてください。今回は、ビュッフェの残りについて。気になりますよね、どうなるかの行方。
パッと見はまだまだ食べられそう。でも…
はい、ホテルやレストランのビュッフェで出た残りものは、そのほんどが廃棄・食品ロスとなっているのが現状のようです。いくら見た目が食べられそうでも、誰も手を付けていない状態であっても廃棄となります。では、ビュッフェの残りはどのように処理されるかというと、「お客様が手を付けられた料理」は100%廃棄となります。衛生管理上、再利用は一切できないようで、一度客席に出された時点で誰がトングを使ったかわからない・温度管理が保たれない・アレルギーや食中毒リスクがある、というジャッジのため。補充用として出されたけれど残った料理(提供済み)も原則廃棄となっています。ビュッフェ台に出された時点で「消費者に提供された」とみなされるため、再加熱・再提供は衛生基準上できません。
ほとんど廃棄…どの状態なら◎?
厨房にあるまだ出していないストックは、 再利用OK(ルール次第)のようです。厳しいですよね、ストックでもルール次第では✗となることもあるようです。加熱済みでも保冷・保温が適切なら、翌食の賄いや別メニューに回すことがあり、未加熱の食材は翌日以降にも使えることがあるとなっています。そのため、ホテルやレストランでは、提供の工夫が徹底されています。取り組み例としては、「提供する量を小分けにする=一皿あたりの量を減らし、取りすぎ防止を促す」や「提供時間ごとに補充量を調整=利用者のピーク時間に合わせて仕込みを調整」などを行っているようです。また、「オーダービュッフェ」方式によってつくり置きを減らすことも。日本のホテル業界では、ビュッフェ1回あたりで約15~20%の食品が廃棄されるという調査結果もあるため、ロスを少なくする努力を各企業が行っています。
廃棄された料理はどうなるのか?
一般的には産業廃棄物として業者が回収する流れのようです。そして一部は、飼料化・堆肥化・バイオガス化(自治体や企業による)により、再資源化を進めているケースも増えてきています。
例)
- 食品リサイクル:残菜を飼料・堆肥・バイオ燃料に再利用
- フードシェア:余剰食材を地域団体・子ども食堂などに寄付(未提供分に限る)
その他、SDGsの流れで、ホテルニューオータニや星野リゾートなどは食べきりキャンペーンを実施しており、食品ロスや再資源化に積極的な姿勢を見せています。また、海外(スウェーデンやシンガポール)では、AIカメラで残菜量を分析し、仕込み量を最適化するホテルも登場しているようです。今回の「おしえて、たにじろう先生! 」の結果は、「ビュッフェの残りは、そのほとんどが廃棄されている」という結果に加え、「各社企業努力や工夫を施し、ムダをなくそうとしている」となりました。皆さんもビュッフェに行かれた際は、もったいないことは控えるようにお願いしますね。
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